介護において新人教育を行うことは重要です。まず利用者の生命・身体に危険が及ばないためには何が必要かをしっかり把握する安全教育を優先させなければなりません。誤飲や転倒などの事故を防止するためのマニュアルを徹底し緊急時の対策を実践できるよう、最も長く新人教育の時間が割かれるべきなのです。実際に起きた事故やヒヤリハットの事例を研究し、再発防止策を習得して不測の事態に備えられる人材を育成することが必要です。健康面でさまざまな問題を抱える利用者の個別の状況をふまえ、適切な対処をできるようにしなければならないのです。

次に現場で利用者が快適に生活を送れるように、利用者の食事介助やトイレ誘導などの適切な方法を学ぶことが必要です。足の不自由な利用者を持ち上げて介助する場面もありますが、利用者の身体に負担がかからないよう配慮するだけでは足りません。介助職員が腰を傷めないようにするためのスキルが必要で、力任せや自己流の介助は禁物なのです。食事は利用者の楽しみのひとつなので、介助がスムーズに行われるかどうかは利用者にとって重要なのです。手を使えない利用者の食事介助において、口への運び方やタイミングは細心の注意を要します。

そして利用者と接する際のマナーを守ることを忘れてはなりません。いつも笑顔で明るく丁寧な態度で利用者に接することは当然ですが、新人個人の良識に任せっきりではなく、実践的な訓練をともなう献身的な態度の習得が求められます。現場では効率性を優先するあまり、ホスピタリティがなおざりにされる可能性も否定できません。職員は虐待を自分の問題として常に自制する気持ちを持って接することができるように、精神面の教育も怠ってはならないのです。