各地の介護事業所では、サービスの質の向上や離職率の低下などを目的として新人教育を強化しているところが増えており、若手のスタッフが教育担当者に指名されるケースが増えています。新人教育を効果的に行うためには、一人ひとりの新人の性格や適性、能力などをしっかりと把握して、仕事上のサポートを行うことが重要となります。また、教育担当者は個人差があるものの、研修の進め方や新人との人間関係など様々な場面で悩むことが多くなります。そのため、教育期間がスタートする前に自分なりの対処法を考えておくことがポイントです。

新人教育のための環境がしっかりと整っている介護事業所では、施設長や介護主任などが教育担当者の相談を聞いたり、適切な助言を行ったりしているところが少なくありません。そこで、定期的に信頼のおける上司に研修の進み具合や新人の職場での様子について報告をして、譲歩共有を図ることが大事です。介護業務の経験が全くない新人を教育するにあたっては、職場内での教育だけでなく、介護職員初任者研修をはじめとした業務に役立つ研修の受講をさせたり、外部のセミナーに参加を勧めたりする方法もあります。その他、夜勤が多い老人ホームやグループホームといった入所施設においては、複数人の経験が豊富なスタッフが新人教育を交代で行うことで、経験が浅い人やブランクがある人もスムーズに業務を覚えることが可能となります。

新人教育は、人材不足に悩む介護業界にとって大変重要です。これから介護の仕事を続けてもらうためには、スキルや知識を身に付けてもらうことがまず前提にあるからです。問題も多くあるかもしれませんが、しっかりと新人教育を行うことが人材不足の問題の解消にも繋がるのです。